日本の現行法令においては、日本国内で防爆機器として使用するには、
たとえそれがIECEx/ATEX認証を取得した製品であっても、厚生労働省に登録された登録型式検定機関による審査に合格して発行される「型式検定合格証」の取得が必要とされています。
審査のために提出する書類は、単なる形式的なものとの位置づけではなく、製品が基準に適合していることを正確に判断できるだけの十分な内容を含むものである必要があります。
IECEx認証におけるテストレポート(ExTRと呼ばれる)が活用できます。基発0812(2021年08月12日)に定められている要件に合致することを確認し申請してください。
ATEX認証におけるテストレポート(ATEXアセスメントレポートと呼ばれる)が活用できます。2020年年3月5日(2020):基安発0305第1号に定められている要件に合致することを確認し申請してください。
IECEx認証とATEX認証においては次のような対応がありますので、以降の説明では読み替えてご理解ください。
IECEx | ATEX対応物 |
---|---|
IECEx CoC | EU type examination certificate |
Schedule drawaings | Schedule drawings(stamped drawings, etc) |
ExTR package | ATEX assessment report |
QAR | QAN |
【申請書】申請情報はGoogleフォームから入力をお願いします。
【申請書類】
本質安全防爆の場合の申請の範囲、申請書類についてこちらの参考情報をご覧ください。
「特殊防爆構造」の場合は、防爆性能を有することを証する書⾯(特殊防爆構造の⾒解書)を必ず申請書に添えてください。
検定の申請者になれるのは、製品の製造者または輸入者です。
申請手続きは、申請者ご自身で行うことも、代理の方に依頼することも可能です。代理の方が手続きを代行する場合に限り、ご本人の依頼であることを確認するため「委任状」のご提出をお願いしております。
委任状については指定の様式/形式はありませんが、以下の情報が含まれるよう作成して下さい。
言語:日本語または英語
【1】 委任者
【2】 被委任者
【3】 委任内容
以上
申請図面と現品を比較しながら理解するために書面審査の段階でサンプルの送付をお願いすることがあります。
申請図面と現品が整合していることを確認する「構造検査」を行うために試験サンプルのご送付をお願いします。
検定試験の計画(項目・対象・条件など)は、書面審査の結果として決めることができるものですので、書面審査が完了していない段階では、試験項目を確定することはできません。
あらかじめ行った試験の結果書面に基づいて、検定試験の概算費用をお見積りすることは可能です。概算費用のメール連絡、もしくは、お見積書をご希望の方は、NCSサポート(support@ncs-ex.com)までご連絡ください。
試験サンプルの郵送に際しては、「試験サンプルの郵送について」をご参照ください。
検定試験の実施方式については、「立会方式」と「持込方式」があります。詳しくはこちらをご参照ください。
合格証ドラフト(pdf)を送付致します。
内容をご確認頂き<確認印、ご署名、等を頂き>pdfをご返送いただきます。
※修正のご要望、ご不明点等がございましたら、お知らせ下さい。
正式な合格証を作成
合格証のスキャンと合格証添付書類の送付(email等)
合格証(紙が原本)の郵送手続き
検定合格決定の後、申請者へお渡しするものは以下のみとなります。NCS押印(物理的、電子的)されたものです。
IECExの機器認証では、本体とは別にIECEx認証された部品等(※1)を使用することを前提とし、それら部品を指定はせずに本体が認証されることが一般的です。
"separately certified"、"suitably certified", "Ex component"と記述されていたりします。
一方、日本の型式検定ではこれらの部品等も本体と一体で、電気機器として完全体の単位が検定対象とされていることから、これらの部品についても申請時に指定していただく必要があります。
従って、申請時にはこれらの部品についても、IECEx認証3点セット+現品サンプルが必要となります。また、IECEx認証の適用規格が国内検定基準と同じ、もしくはそれより新しい版の規格であることが必要です。
【別途認証されている部品等の例】
電池
Fuse
Bushing
ケーブルグランド
閉止栓: plug
アダプター
【IECEx認証3点セット】
(1) IECEx CoC
(2) Approved drawings/Stamped drawings/Certification drawings
(3) IECEx ExTR package (+ 詳細試験結果データ)
※ExTR package = ExTR Cover + Ex Test reports + ExTR Addendums+ExTR of National Differences
なお、別途IECEx認証された部品等の製造者が、上記の文書を御社へ公開するのは控えたい等の事情がある場合、本体の申請者からは提出できないが、部品の製造者からNCSへ直接提出することは可能であるという場合、弊社としても受入可能です。ご相談ください。
【「NCSコンポーネント」として認証された部品等を使用する場合】
申請図面上に、NCSコンポーネント認証番号、その他、使用する型式の特定に必要な情報の記載
詳細図面は不要
試験データは不要
【よくある誤解1】
「IECEx認証証を日本の型式検定合格証にConvertできる。」ということがありますが、これは誤解です。少なくとも現状の日本の法令では認められていません。
現状では、IECEx認証取得品であったとしても、日本の登録型式検定機関(NCSを含む)が独自に審査を行う必要があるのです。単なる事務的手続きのみではありません。
申請品に対して審査を行い、適合、不適合、を判定することが求められているのです。IECEx認証取得に際し作成された各種文書は、日本の型式検定の申請に必要な文書として活用することができます。
以下では、IECEx認証取得品の場合の提出物を説明しています。
「IECEx認証証を活用する場合は、1つのIECEx認証証でカバーされている型式は全て1つの日本の型式検定合格証に含めることができる」ということがありますが、これも誤解です。現在の日本の法令では、一つの合格証に含めることのできる範囲について制約が定められており、IECExを活用する場合であろうとなかろうと関係なく制約を受けます。つまり、現状の日本のルールでは、IECEx認証ほどの柔軟な対応は認められていません。詳しくは、弊社ウェブサイトの「型式ごと」の申請、を一読ください。
【よくある誤解3】
「ケーブルグランド、閉止栓、fuse, 電池、etcのIECEx Ex component認証品なので本体に要求されるような文書(が防爆構造の一部として含まれる場合であって、別途IECEx認証証を取得しているものを使用できる。」とありますが、これも誤解です。日本の検定上はIECEx認証は効力を持ちません。従って、IECEx認証証に"separately certified itemを使用すること"などの条件が記載されており、適切なIECEx認証品をIECExの認証システムの下では、別途認証されたものを使用してよいことになっていますが、日本の検定では、これはIECEx認証品というだけでは効力を持ちません。IECEx Ex componentについても、「IECEx認証3点セット」が必要です。