製造検査設備等の概要書(詳細版)の作成ガイド

📌 このガイドについて

製造検査設備等の概要書は、機械等検定規則 第八条で定められた要求事項を満たすために必要な書類です。型式検定を受けるために、以下の4項目についてご提出いただきます。

1
製造検査設備(製造の設備、検査の設備)
2
工作責任者(資格要件を満たす責任者)
3
検査組織(検査を担当する部署・体制)
4
検査規程(検査の基準・方法・記録保存)

📥 必要な届出書類のダウンロード

該当する届出書、マイページについて、下記の様式に記入してご提出ください。

[1] 製造設備と検査設備

製造に使用する設備と、防爆構造の検査に必要な設備について記載します。

(A) 製造のための設備

法令では具体的な設備の指定はありません。実際に製品を製造するために使用する設備をご記載ください。

(B) 検査のための設備

機械等検定規則 別表第2に、各防爆構造の検査に必要な設備が定められています。

📝 重要事項

検査設備は原則として保有する必要があります。ただし、爆発試験設備と防じん試験設備については、他の者が保有する設備を利用できる場合(賃借契約等)、それを証明する書類を提出することで保有とみなされます。

※設備の保有状況が確認できる十分な情報をご提供ください(設備名、仕様、設置場所など)

防爆構造別の必要設備一覧

申請する防爆構造に応じて、以下の設備が必要です。

該当する防爆構造等(申請品の防爆構造) 機器、設備
全ての防爆構造に共通 温度試験設備を保有
耐圧防爆構造 爆発試験設備を保有、又は、賃借契約、承諾書、等のコピーを提出
機械等検定規則(機械則) 第八条の第二項参照
内圧防爆構造 内圧試験設備を保有
安全増防爆構造(かご形回転子巻線を有する電動機) 拘束試験設備を保有
安全増防爆構造(照明器具及び表示燈類) 気密試験設備を保有
油入防爆構造(開閉器具及び制御器具) 発火試験設備を保有
本質安全防爆構造 [1] 火花点火試験設備を保有
[2] 耐電圧試験設備を保有
樹脂充てん防爆構造 熱安定性試験設備を保有
平成20年09月25日基発第925004号
非点火防爆構造 衝撃試験設備を保有
平成20年09月25日基発第925004号
粉じん防爆構造 防じん試験設備を保有、又は、賃借契約、承諾書、等のコピーを提出
機械等検定規則(機械則) 第八条の第二項参照
のぞき窓を有するもの、照明器具及び表示燈類 鋼球落下試験設備を保有
照明器具のうち円筒状ランプ保護カバーを有するもの [1] 鋼球落下試験設備を保有
[2] 水圧試験設備を保有
屋外用のもの 散水試験設備を保有

[2] 工作責任者

製造を統括する工作責任者について、資格要件を満たすことを示す情報を記載します。

機械等検定規則 別表第3に、工作責任者の資格要件が定められています。

労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生法関係手数料令の一部を改正する政令の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(令和五年厚生労働省令第二十九号)2023年10月1日

資格要件(以下のいずれか一つを満たす必要があります)

  • (A) 大学・高専卒業者:学校教育法による大学又は高等専門学校において工学に関する学科を専攻して卒業した者で、その後2年以上防爆構造電気機械器具の研究、設計、工作、検査又は型式検定の業務に従事した経験を有するもの。
  • (B) 高等学校卒業者:学校教育法による高等学校において工学に関する学科を専攻して卒業した者で、その後5年以上防爆構造電気機械器具の研究、設計、工作、検査又は型式検定の業務に従事した経験を有するもの。
  • (C) 実務経験者:8年以上防爆構造電気機械器具の研究、設計、工作、検査又は型式検定の業務に従事した経験を有するもの。

記載が必要な情報

(1) 所属
工作責任者が所属する部署名
(2) 氏名
工作責任者の氏名
(3) 学歴
大学、高専、高等学校の区分、および、学部や学科を具体的に記載
(4) 業務経験
防爆電気機器に関する業務の内容(研究、設計、工作、検査、型式検定のいずれか)と、それに従事した期間を記載

[3] 検査組織

製品の検査を実施する組織体制について記載します。

記載が必要な情報

検査に関わる全部署の明示
製造者の組織内で、申請品の検査にかかわるすべての部署を明らかにしてください。
各部署の担当業務
それぞれの部署が担当する検査業務を簡潔に説明してください。
ルーチン試験の担当部門(該当する場合)
国際整合防爆指針による申請品・合格品を有している場合は、ルーチン試験を担当する部門を明らかにしてください。

[4] 検査規程

製品の検査をどのように実施するかを定めた規程について記載します。

検査規程では、以下の3つの主要項目について定める必要があります。

A. 検査の基準

(1) 検査項目の内容

適用規格に適合することを確実に確認するために必要な検査項目が設定されているか?

記載のポイント

✓ どの規格に基づいているかを規格番号、Edition等を含めて明確に記載してください。

✓ 国際整合防爆指針による申請品・合格品を有する場合、ルーチン試験を検査項目に含めてください。

(2) 判定基準の内容

適用規格に適合するか否かを確実に確認できる判定基準になっているか?

記載のポイント

合格・不合格が明確に判定できる基準であることを確認してください。

✓ 検査項目の内容や判定基準は、規格(名称、発行年)とclause番号を引用した記述でも可能です。

B. 検査の方法

記載が必要な情報

(1) 検査の実施タイミングと頻度
検査をどのような場合にどの程度の頻度で実施するかを明記
(2) 品質保証のための検査方法
抜き取り検査・分解検査など、品質保証のための検査をどのような方法で実施するかを明記

C. 検査記録の保存

記載が必要な情報

(1) 記録の保存方法
検査記録をどのように保存するか(紙媒体、電子データなど)
(2) 記録の保存期間
検査記録を何年間保存するか

機械等検定規則(抜粋)

以下は、機械等検定規則(機械則)からの抜粋です。製造検査設備等の概要書の根拠となる法令内容です。

(型式検定の基準)

第八条

1 法第四十四条の二第三項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。

一 型式検定を受けようとする型式の機械等の構造が、法第四十二条の厚生労働大臣の定める規格に適合すること。

二 型式検定を受けようとする者が、次に掲げる設備等を有すること。

  • イ 型式検定を受けようとする型式の機械等の製造に必要な製造のための設備及び別表第二の上欄に掲げる機械等の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる要件に適合する検査のための設備
  • ロ 別表第三の上欄に掲げる機械等の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に定める資格を有する工作責任者
  • ハ 型式検定を受けようとする型式の機械等が、法第四十二条の厚生労働大臣が定める規格を具備しているかどうかを検査することができる検査組織
  • ニ 型式検定を受けようとする型式の機械等に係る検査の基準、検査の方法その他検査に必要な事項について定めた規程

2 型式検定を受けようとする者であって、随時他の者の有する作動試験用のゴム、ゴム化合物若しくは合成樹脂を練るロール機、法別表第二第一号第二号に掲げる機械等の作動試験機、作動試験用のプレス機械若しくはシャー(ポジティブクラッチ付きのものを除く。)、爆発試験設備、防じん試験設備、振動試験設備、加速度測定設備、作動試験用のジブクレーン、作動試験用の移動式クレーン、排気弁の作動気密試験設備、二酸化炭素濃度上昇値試験設備、騒音試験設備、漏れ率試験設備、ぬれ抵抗試験設備、面体の気密試験設備又は公称稼働時間試験設備を利用することができるものは、前項第二号イの規定の適用については、これらの設備を有する者とみなす。

3 外国において製造された型式検定対象機械等の型式検定を受けようとする者(次項の者を除く。)については、当該機械等の製造者が第一項第二号イからニまでに掲げる設備等に相当する設備等を有する場合には、同号の規定は、適用しない。

4 単品として製造された型式検定対象機械等の型式について型式検定を受けようとする者については、第一項第二号並びに第六条第一項第三号及び第四号の規定は、適用しない。

【更新履歴】