まずは、本ページの内容をざっくり解説するスライドをご用意しております。全体の流れをつかむために、ぜひご覧ください。
輸入者の皆様から多く寄せられるご質問に、「すでに海外でIECExやATEXを取得している製品なのに、なぜ日本で改めて審査が必要なのか?」というものがあります。
IECExやATEXなどの海外認証を取得した機器は、当該制度において一定の技術基準への適合が確認されたものです。しかし、日本国内でそれらの機器を販売・設置・使用する場合は、日本の労働安全衛生法に基づき、日本で有効な「型式検定合格証」を取得したものでなければなりません。そのため、日本で有効な型式検定合格証を取得していない防爆電気機器を、日本国内で対象用途に販売・設置・使用することは、法令上認められておらず、違法となります。
これは、日本に限った特別な考え方ではありません。例えば、日本の型式検定合格証を取得している機器であっても、EU域内で販売・使用する場合には、EUの法令および認証制度に従う必要があります。同じIEC規格を基礎とした評価であっても、各国・各地域の制度において、適用される法令、技術基準、認証手続き、責任主体が異なるため、それぞれの制度に基づく確認が必要となります。
日本にも独自の法制度と技術基準があり、当機関(NCS)のような厚生労働省の登録型式検定機関が、申請された製品について日本の基準への適合性を確認し、型式検定合格証を発行しています。
ただし、日本で改めて検定を行うということは、海外認証における試験データを無視して、常にすべての試験を最初からやり直すという意味ではありません。IECExのExTR(テストレポート)等のデータについて、申請で適用する日本の技術基準との対応関係、適用された規格の版、試験条件等を確認した上で、活用可能なデータは積極的に活用いたします。
もっとも、同じIEC 60079-0等の規格に基づく評価であっても、適用された規格の版が異なれば、要求事項が異なる場合があります。そのため、申請で適用する規格の版と、ExTR等で適用された規格の版が異なる場合には、規格の版の違いによる要求事項の差異および製品評価への影響を評価した資料をご提出いただく必要があります。
これらの内容を確認した上で、ExTR等のデータが申請で適用する技術基準に照らして適切に実施されたものであると確認できれば、重複する試験を省略し、審査を円滑に進めるためのデータとして活用いたします。
輸入品の検定申請については、以下のいずれかのケースのみが可能となっています。
海外製造者が申請者となる
輸入者が申請者となる
輸入者様が申請を行う場合、海外製造者様からの協力が不可欠 となります。 申請に際しては、まず必要書類の提出がありますが、製造者からの協力が無ければ書類が揃わず、申請さえできません。
さらに、審査開始後に当機関(NCS)から申請者へ問い合わせが発生しますが、事務的なこと以外に、防爆規格の中身、製品の防爆性能に関すること、試験についての詳細など、技術的なことをお問い合わせすることが多くあります。 この対応についても製造者からの協力が必要です。
したがって、検定の手続きをスムーズに進めるため、申請前に製造者からの協力の同意を得ておくことを強く推奨いたします。
申請の準備を進める前に、以下の項目をご確認ください。
ア)海外製造者
イ)輸入者
※申請者が上記「ア」「イ」のいずれの場合でも、QAR(製造者)をご提出いただくことで、通常、製造検査体制に関する要件確認を円滑に進めることができます。
※ExTRや図面について、「製造者からNCS(検定機関)への直接開示なら可能だが、それ以外へは不可」というケースがよくあります。このようなケースで、弊社が海外製造者と直接やり取りすることになる場合、有償となりますが、申請のサポートをすることができます(作業負荷に基づいて都度お見積り)。
一般に、IECEx認証では、複数の機種や複数の防爆構造のものが一つの認証番号で認証されていることが多いですが、日本の防爆検定の申請では、これらを別々に分けなければならないケースが多く見受けられます。コストや時間も有限ですので、必要な機種と防爆仕様はどれとどれなのかをあらかじめ整理しておく必要があります。 詳細については、型式ごとの申請についてをご参照ください。
いずれの申請においても、申請書、申請書類、そして検査用のサンプルが必要となります。特に、以下は必須となっています。
| IECEx CoC(適合証明書の番号) |
| ExTR(試験レポート) |
| Schedule Drawings(認証図面) |
| Quality Assessment Report (QAR) |
| Sample(製品のサンプル:1点) |
| EU-type examination certificate(ATEX Category 1 または 2 の場合) または、Type examination certificate 等(ATEX Category 3 の場合) |
| ATEX report(IECExにおけるExTRに相当する試験・評価レポート。※issue 0から最新issueまでの全て) |
| Schedule Drawings(認証図面) |
| Quality Assurance Notification (QAN) |
| Sample(製品のサンプル:1点) |
検定の申請において、図面やテストレポートなどの機密情報を製造者様から検定機関(当社)へ直接ご送付いただくことが一般的です。
その際、弊社に対しNDA(秘密保持契約)の締結をご要望されることがあります。NDAの締結には、双方でお手続きに時間と費用を要することが一般的です。また、内容によっては締結ができない場合もございます。
より円滑かつ迅速に進めるため、NDA締結の代わりに、弊社の「情報保護に関する基本方針 (Basic Policy on Information Protection)」にご理解・ご同意いただくことでご対応させていただければ幸いです。
弊社の「情報保護に関する基本方針」は、お預かりする情報の適切な管理と保護をお約束するものであり、下記より詳細をご確認いただけます。
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| 取扱説明書 | 日本語のものが必要です。 |
| 警告銘板 | 日本語での表示が必要です。 |
※特別な使用条件が機器上に注意書きとして表示されている場合は、その銘板内容も日本語での表記が必要となります。
機器にケーブルグランド、閉止栓(ブラインドプラグ)、アダプター等が使用される場合、以下の対応が必要です。
これら導入部品に関する図面、および試験結果の提出が必要です。
これら導入部品についてもサンプルの提出が必要です。 ※NCSでコンポーネント認証を取得済みの部品を使用する場合は、申請図面にNCSコンポーネント認証番号および必要情報を記載いただくことで対応可能です。
検定の手続きや必要書類、申請先については、弊社ウェブサイトの新規検定ページをご覧ください。
また、申請に関してお困りのことがございましたら、以下のサポートサービスをご参照ください。
日本の防爆検定制度は、国内における労働安全衛生水準の向上と産業災害の防止を図る上で、きわめて重要な役割を担っております。皆様のご理解とご協力は、円滑な認証プロセスを実現し、日本市場への製品導入をスムーズに進めるために不可欠です。
本案内が、日本の防爆検定制度をご理解いただく一助となれば幸いです。 ご不明な点がございましたら、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
今後ともご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。