更新:2025.05.14
海外でIECExなどの認証を取得している防爆機器を日本国内で使用したい場合があるかと思います。それらの機器は技術的には防爆性能が備わった規格適合品なのかもしれませんが、日本国内で販売、設置、使用する場合は、日本で有効な型式検定合格証を取得したものでなければならないことが、労働安全衛生法において規定されています。したがって、型式検定合格証を取得していないものを日本国内で販売、設置、使用した場合、労働安全衛生法の違反になってしまいます。
輸入品については、以下のいずれかケースのみが可能となっています。
いずれの場合でも、申請書、申請書類、そして検査用のサンプルが必要となっています。
検定の手続きや必要書類、申請先については、弊社ウェブサイトNCSウェブサイト:新規検定をご覧ください。
輸入者が防爆検定を申請する際には、製造者からの協力が必要となります。
必要な書類の提出
審査機関(弊社)からの申請者への問合せ対応
申請に際しては、まず必要書類の提出がありますが、製造者からの協力が無ければ書類が揃わず、申請さえできません。
次に、審査が開始されたのち、審査機関(弊社)から申請者へ問合せが発生することになりますが、この問い合わせへの対応についても、製造者からの協力が必要です。検定の審査においては、事務的なこと以外に、防爆規格の中身、製品の防爆性能に関すること、試験についての詳細、など、技術的なことをお問合せすることが多くあります。したがって、検定の手続きをスムーズに進めるため、申請前に製造者からの協力の同意を得ておくことを強く推奨いたします。
特に、以下は申請で必須となっています。
【IECExを活用する場合】 |
---|
IECEx CoC (認証証の番号) |
ExTR (試験レポート) |
Schedule Drawings (認証図面) |
Sample (製品のサンプル: 1点) |
Quality Assessment Report (QAR) |
【ATEXを活用する場合】 |
---|
EU-type examination certificate (ATEX Category 1 or 2の場合) |
Type examination certificate (ATEX Category 3の場合) |
ATEX report (ExTRに該当) ※issue 0から最新issueまでの全て |
Schedule Drawings (認証図面) |
Sample (製品のサンプル: 1点) |
Quality Assurance Notification (QAN) |
検定の申請において、図面やテストレポートなどの機密情報を製造者様から検定機関(当社)へ直接ご送付いただくことが一般的です。
その際、弊社に対しNDA(秘密保持契約)の締結をご要望されることがあります。NDAの締結には、双方でお手続きに時間と費用を要すること一般的です。また、内容によっては締結ができない場合もございます。
より円滑かつ迅速に進めるため、NDA締結の代わりに、弊社の「情報保護に関する基本方針 (Basic Policy on Information Protection)」にご理解・ご同意いただくことでご対応させていただければ幸いです。
弊社の「情報保護に関する基本方針」は、お預かりする情報の適切な管理と保護をお約束するものであり、下記より詳細をご確認いただけます。
ITEM | 備考 |
---|---|
取扱説明書 | 日本語が必要 |
防爆銘板 | 日本語が必要 |
警告銘板 | 日本語が必要 |
ア) 海外製造者
イ) 輸入者
※申請者が上記のア)、イ)のいずれの場合でも、QAR(製造者)の提出により、製造検査体制の要件は満たされているとみなせます。
上記の「これは重要」をご参照ください。
※ExTRや図面について、製造者→ NCS (検定機関)への開示なら可能であるが、その他へは不可、というケースが良くあります。このようなケースで、弊社が海外製造者とやり取りすることになる場合、有償となりますが、申請のサポートをすることができます。(作業負荷に基づいて都度お見積り)
一般に、IECEx認証では、複数の機種や複数の防爆構造のものが一つの認証番号で認証されていることが多いですが、日本の防爆検定の申請では、これらを別々に分けなければならないケースが多く見受けられます。コストや時間も有限でしょうから、必要な機種と防爆仕様はどれとどれなのかをあらかじめ整理しておく必要があります。
この度は、当社のウェブサイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。
当社は、日本の厚生労働省より登録を受けた防爆検定の登録型式検定機関として、型式検定業務(通称JPEx)を行っております。
輸入者の皆様、日本国外の製造者の皆様から特に多く寄せられるご質問の一つが、このタイトルに関するものです。「IECEx認証やATEX認証を取得している製品なのに、なぜ日本で改めて審査が必要なのか?」――この疑問にお答えし、日本の防爆検定制度についてご理解を深めていただき、今後の認証手続きを円滑に進めていただくため、本案内を作成いたしました。
IECEx認証やATEX認証は国際的に広く認知された認証ですが、日本国内で防爆電気機械器具としてご使用いただくためには、日本の法律に基づいた型式検定(JPEx)が別途必要となります。その主な理由は以下の通りです。
日本には、国内の産業安全を確保するための独自の防爆検定制度があり、その手続きや技術基準が法律によって定められています。
私たちのような登録型式検定機関は、日本国内で流通する製品の安全性を認証する公的な責任を負っており、発行する型式検定合格証には法的な効力が伴います。
これは他国の認証制度も同様の考え方であり、例えば、日本のJPExに合格した製品であっても、それのみをもってEU域内でATEX認証製品として流通できるわけではなく、また北米、中国、韓国、台湾などにおいても、それぞれの国の定める認証手続きが必要です。
日本の防爆検定(JPEx)の技術基準は、その多くが国際規格であるIEC規格を基礎としています。
そのため、IECEx認証の際に作成される試験データ(テストレポート)は、JPExの審査プロセスにおいても尊重し、積極的に活用いたします。特に、IECExのExTR(Ex Test Report)には、試験の結果だけでなく、製品がどのように評価されたかの詳細な記録が含まれており、当機関(NCS)での審査を円滑に進めるうえで大変有効です。これらの試験データが適切に実施されたものであると確認できれば、原則として当機関で改めて試験を実施する必要はありません。
しかしながら、ご提出いただいた資料や製品そのものが日本の技術基準に適合しているかどうかの最終的な判断、および認証の可否を決定する責任は、型式検定合格証を発行する当機関にあります。具体的には、設計図面と規格要求事項との照合、実物と図面との照合などを通じて、総合的に評価いたします。
現在の日本の法律では、たとえIECEx認証を取得している製品であっても、それだけでは国内での使用は認められていません。日本国内で防爆電気機械器具を使用するためには、必ず日本の登録型式検定機関による審査と認証(JPEx)を受けることが定められています。
日本の防爆検定制度は、国内における労働安全衛生水準の向上と産業災害の防止を図る上で、きわめて重要な役割を担っております。皆様のご理解とご協力は、円滑な認証プロセスを実現し、日本市場への製品導入をスムーズに進めるために不可欠です。
本案内が、日本の防爆検定制度をご理解いただく一助となれば幸いです。
ご不明な点がございましたら、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
今後ともご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
申請に関してお困りのことがございましたら、日本国内防爆申請サポートサービスをご参照ください。
【履歴】