防爆Markingに関して(スライド版)

防爆Markingに関して

2025年3月13日

エヌ・シー・エス株式会社

目次

  1. 防爆記号の読み方
  2. IEC規格における防爆記号の例
  3. ATEX指令特有のマーキング
  4. 日本独自の構造規格における防爆記号
  5. その他の表示事項
  6. 講習のご案内

防爆記号の読み方

防爆記号は、防爆機器に関する情報として最も基本的な情報の一つです。防爆記号でその機器の全てがわかるわけではありませんが、重要なことは記号に集約されていますので、これが理解できなければ適切な利用はできません。

一般論を展開するより、具体例から感覚をつかむ方が新しい物事を理解するスタートとしては良い方法です。

例1 (IEC規格)

適用規格:

  • IEC 60079-0:2011, 2017
  • IEC 60079-1:2014
  • IEC 60079-11:2011, 2023

Ex db eb [ia IIA Ga] IIB+H2 T5 Gb, Ta= 40℃ to 60℃

例1 (IEC規格) - 詳細説明 (1)

Ex db eb [ia IIA Ga] IIB+H2 T5 Gb, Ta= 40℃ to 60℃

  • Ex : 危険場所に設置できる防爆製品である
  • db : 耐圧防爆(flameproof 'd')の保護レベル"b"
  • eb : 安全増防爆(increased safety 'e')の保護レベル"b"
  • [ia IIA Ga] : 本安関連機器である
    • "ia":本質安全防爆(intrinsic safety 'i')の保護レベル"a"
    • IIA:IIAガス環境に設置された本安機器と接続できる

例1 (IEC規格) - 詳細説明 (2)

Ex db eb [ia IIA Ga] IIB+H2 T5 Gb, Ta= 40℃ to 60℃

  • [ia IIA Ga]
    • Ga:本安関連機器のEPLを示す
  • IIB+H2: Group IIBのガスの環境に加え、水素の環境に設置可能
  • T5 : 温度等級を示す
  • Gb: 機器のEPL:Zone 1に設置することができる
  • Ta=℃ to ℃:設置可能な環境の周囲温度条件
  • "db", "eb", "ia"の順番に並んでいますが、頭文字をみてアルファベット順に並べることになっています。
  • "Ex", "db", "eb", 等の間は1スペースを空けます。詰めないでください。

例2 (ATEX)

【ATEX指令特有のマーキング】DIRECTIVE 2014/34/EU Article 16

II 2 (1) G, Ex db eb [ia IIA Ga] IIB+H2 T5 Gb, Ta= 40℃ to 60℃

例2 (ATEX) - 詳細説明

II 2 (1) G, Ex db eb [ia IIA Ga] IIB+H2 T5 Gb, Ta= 40℃ to 60℃

  • CEnnnn:CEマーク(EUでの適合の印)

    • "nnnn"は防爆品質システム認証証(QAN)発行機関の登録番号
    • Category 3の電気機器はModule A適用で"nnnn"は空欄
  • ATEXヘキサゴンマーク"specific marking of explosion protection"

II 2 (1) G, Ex db eb [ia IIA Ga] IIB+H2 T5 Gb, Ta= 40℃ to 60℃

  • II:炭鉱以外の場所で使用
  • 2(1):category 2の機器で、category 1と接続できる機器を内蔵
  • G:ガス、蒸気、ミストにより形成された爆発性雰囲気
    (D=粉塵により形成された爆発性雰囲気)

例3 (IEC規格)

【IEC 60079-0:2011,2017, IEC 60079-2:2014, IEC 60079-11:2011, 2023】

[Ex ib Gb] [Ex pxb Gb] IIC

  • [Ex ib Gb] : (本質安全防爆構造の)associated apparatusは非危険場所に設置
  • [Ex pxb Gb] : (内圧防爆構造の)associated equipmentは非危険場所に設置
  • "Ex"と"EPL"(保護レベル:Ga, Gb, Gc等)は[ ]の中に入れる
  • 非危険場所設置のassociated機器は温度等級の記載なし

例4 (IEC規格)

【IEC 60079-0:2011, 2017, IEC 60079-1:2014, ISO 80079-36:2016】

Ex db h IIB T5 Gb

  • Ex : 危険場所に設置できる防爆製品である
  • db : 耐圧防爆(flameproof 'd')の保護レベル"b"
  • h: 非電気防爆
    • 非電気防爆構造:constructional safety "c", control of ignition source "b", liquid immersion "k"のいずれでも"h"と記載
    • "h"について保護レベルは記載されない

Ex db h IIB T5 Gb

  • IIB: Group IIBのガスの環境に設置可能
  • T5 : 機器の温度等級
  • Gb: 機器のEPL:Zone 1に設置可能

日本独自の構造規格(ガス蒸気2006)における防爆記号

JPEx-marking

爆発等級3において記号は以下のような対応を表します:

  • 3a は水性ガス及び水素
  • 3b は二硫化炭素
  • 3c はアセチレン
  • 3n は爆発等級3の全てのガス

爆発等級の分類

爆発等級 火炎逸走限界(MESG)の値(mm)
1 0.6 < MESG
2 0.4 < MESG ≤ 0.6
3 MESG ≤ 0.4

発火度の分類

爆発性ガスの発火温度(℃) 発火度 電気機器の許容温度(℃) 許容温度上昇(℃)
450 < Ti G1 360 320
300 < Ti ≤ 450 G2 240 200
200 < Ti ≤ 300 G3 160 120
135 < Ti ≤ 200 G4 110 70
100 < Ti ≤ 135 G5 80 40

発火度の分類 - 補足

  • Tiは発火温度(ignition temperature)
  • 「許容温度上昇」は、発火温度下限値の約80%から基準周囲温度の限度40℃を差引いた値

その他の表示事項

  1. 製造者の名称又は登録商標
  2. 製品の型名
  3. 製造番号(シリアル番号)
  4. 認証機関が発行した認証証番号、又は、適合宣言書の識別番号
  5. 特定の使用条件が付与されていることを明示することが必要な場合、認証証書番号の末尾に"X"を付与
    • "X"を表示するかわりに、機器上に注意書きの詳細を表示してもよい
  6. 防爆記号

講習のご案内

温度等級、ガス・蒸気の種類、保護レベルなどの意味、適切な機器の選定、使用をする上で理解しておくべき基本事項についてスポット講習、社員教育にもご利用いただけるサービスがございます。

お気軽にお問い合わせください。

詳細は以下のURLをご参照ください:
https://ncs-ex.com/public_html/JP/tech-assistance.html

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