NCSコンポーネント等の取扱いについて

エヌ・シー・エス株式会|2023.10.12|NCSホームページ

解説

Exコンポーネントとは

まず初めに、基発0328第1号(2018年3月28日)によると、「Exコンポーネント等」は以下を指します。

(1) Exコンポーネント (3.28) 【Ex component certificate:認証証番号に"U"が付与される】

(2) Ex ケーブルグランド [Ex Equipment cable gland] (3.7.4) 【Ex equipment certificateの場合には認証証番号に"U"が付くことはない】

(3) Exねじアダプタ (3.29) 【Ex equipment certificate もしくは、Ex component certificate】【Ex equipment certificateの場合には認証証番号に"U"が付くことはない】

(4) Ex閉止用部品 (3.27)

※上記の(  )の中身の数字はJNIOSH–TR–46–1のclause番号

Exコンポーネントの例
ケーブルグランド
閉止栓
Bushing
電池
耐圧防爆構造の接続箱

検定への活用:NCSコンポーネント

Exコンポーネント等は、電気機器の防爆構造の一部を構成するものでありながら、それ単体で使用されることはなく、電気機器に組み込まれて初めて使い道がある種のものです。電気機器の防爆構造の一部を構成するものではあるものの、日本国内ではこれらは単体では電気機器ではないことから、型式検定の対象とはされていないため、Exコンポーネント等の単体に対しては型式検定合格証を発行することは認められておりません。

Exコンポーネント等に対しては、型式検定合格証を発行することはできませんが、基発0328第1号(2018年3月28日)基発0812(2021年8月12日) に従い、Exコンポーネント等を対象とした「NCSコンポーネント認証証」を発行することができます。これらの認証品をNCSコンポーネントと呼ぶことにします。NCSコンポーネントを組み込んで申請される機器(検定の申請品の図面等で特定し指定すること)については、特別な事情がない限り、評価・試験はNCSコンポーネント認証の審査において既に実施されていることから、改めての実施は不要となります。以下の通達(3)のイ、に該当する対応となります。

通達より関連部を抜粋 (3) Ex コンポーネント等の取扱いについて

ア Ex コンポーネント、Ex ケーブルグランド、Ex ねじアダプタ及び Ex 閉止用部品(以 下「Ex コンポーネント等」という。)は、単体としては法に基づく型式検定の対象と はならないが、防爆機器の防爆構造の維持に必要なものであり、防爆機器に組み込んで使用されることから、防爆機器に組み込んで試験等を行うこと。


イ 登録型式検定機関が国際整合防爆指針 2020 による検定を行う場合であって、当該 型式検定機関が Ex コンポーネント等に係る認証書等(国際整合防爆指針 2020 と同 じ基準によるものに限る。)を発行し、当該 Ex コンポーネント等に係る図面、試験デ ータ等を保有している場合、当該認証書等が失効するまでの間、これを試験に活用することとして差し支えないこと。


なお、国際整合防爆指針 2015 又は国際整合防爆指針 2018 と同じ基準により発行 された Ex コンポーネント等に係る認証書等を試験に活用することができるのは、当 該認証書等が失効するまでの間に当該 Ex コンポーネント等を組み込んだ防爆機器に 対して、それぞれ国際整合防爆指針 2015 又は国際整合防爆指針 2018 による検定を行う場合に限られること。

【備考】上記の通達に「当該」型式検定機関とあることから、NCSへの検定申請において活用できるものは、NCSコンポーネント認証を取得しているものに限られますことをご了承ください。

NCSコンポーネントを組み込んだ機器の申請では、これらについての詳細図面の提出は必要ではありません。NCSコンポーネント認証証番号と、その他の必要な情報(使用するケーブル径、パッキン材質、などなど)を記載した図面で構いません。

NCSコンポーネント品を活用する上では以下が必要となりますので、申請前にご確認いただけますようお願いいたします。

【備考】

IEC 60079-0:2011のclause16.3によると

NCSコンポーネント認証の申請に関して

審査項目と方法

[1] 書面審査

[2] 現品審査 (試験、図面との照合)

[3] 品質システムの審査


【品質システム関係書類】

No. 品質システム審査項目 コメント
1 設備 製造と検査に使用する設備・装置を記載したものをご準備ください。

なお、防爆検定では、【製造検査設備等の概要書ついて】において説明されている「機械等検定規則 の第八条、別表第二で規定された設備の保有の要求はありますが、NCSコンポーネント認証では必須ではありません。
2 防爆責任者 防爆構造電気機械器具に関する、研究、設計、工作、検査、等の経験、資格等について記載したものをご準備ください。
3 検査組織 (a) 申請品の検査に関わる部署
(b) それらの部署が担当する検査の内容
を記載したものをご準備ください。
4 検査規定 検査規定の内容については 「検査規定に関して」 をご参照ください。

※当初は工場監査、又は、他機関によるレポートを要求しておりましたが、上記に説明した審査方法に変更いたしました。

NCS Exコンポーネント認証のアウトプット

NCSでは認証決定の後、申請者へお渡しするものは以下のみとなります。

Item 媒体 誰に
NCSコンポーネント認証証 pdf 申請者
認証型式一覧 pdf 申請者
認証図面 pdf 申請者

提出物

NCSコンポーネント申請に必要な提出物については以下のリンク先をご覧下さい。

NCSコンポーネント提出書類の一覧

費用

申請内容に基づいてお見積り致しますので、上記の提出物のうち、申請品の仕様書をご送付ください。

(どのような作業があり、どのようなコストがかかるかに基づいて算出します。その算出のためのインプット情報が必要です。)

有効期間

NCSコンポーネント認証証の維持に関して

【Case 1】発行日から5年の間に、規格改定/設計変更が無い場合

graph LR A[認証証の有効期限が近づく] --> |"_更新希望_"| B[申請]-->B2[書面審査]--> C[更新版認証証発行]

【審査内容】

■ 品質システムの審査

【Case 2】 認証証の発行日から5年経過する前に規格改定があった場合

graph LR B((規格改定))-->|"改定規格への対応希望せず"| C[No action] B --> |"改訂版規格への対応希望"|D1[申請]-->D2[審査]-->D3[更新版認証証発行]

【審査内容】

【Case 3】 認証証の発行日から5年経過する前に設計変更をする場合

graph LR B((設計変更))-->C1[申請]-->C2[審査]-->C3[更新版認証証発行]

【審査内容】

■ 設計審査、構造検査、試験 | 該当する作業を実施

■ 品質システムの審査

IEC規格についての豆知識:Equipment certificate & component certificate

規格関連:IEC 60079-0:2017

Item Equipmentの場合 Componentの場合
認証上の条件の呼び方 Specific Conditions of Use Schedule of Limitations
認証番号の接尾文字 X (if specific conditions of use are applicable) U
補足 ■ Xの接尾文字が付くことは無い
■ 温度等級が与えられることは無い

【履歴】