依頼試験(isparkによる評価), 購入代行

更新:2025.04.26

まず初めに:isparkについて

isparkは、与えられた電源(\(U_o, I_o\)、等)に対し、指定したEPL/Zoneに適切な安全率を考慮し以下を計算により求めることができるソフトウェアです。

  • 本安回路許容静電容量 \(C_o\)(maximum external capacitance)
  • 本安回路許容インダクタンス \(L_o\) (maximum external inductance)

ドイツの物理工学研究所(Physikalisch-Technische Bundesanstalt;ISPARK - PTB.de)で開発、管理されていたソフトウェアです。現在は、このソフトウェアの開発者の方によって管理されています(welcome (ispark-software.com))。ちなみにisparkにはversion 6.2と7.1があります。

回路の火花点火適合性を評価する火花点火試験は、最も点火しやすい(最も厳しい)条件となるように構成した回路に対して行う必要があります。初めに行うべきことは、論理的な分析により、最も厳しい条件の回路の候補を見つけ出すことです。その次にさらに詳細な分析を進めることになりますが、論理的な分析だけによって最も厳しい条件の回路を見つけ出すのは容易ではない場合があります。最も厳しい条件の回路の候補の回路の一つ一つに対して、物理的な火花点火試験装置を使ってこれを行うことも考えられますが、膨大な時間がかかります。isparkでの計算は一瞬で終わることから、絞られた候補の回路の一つ一つについて計算し、その結果を比較することにより最も厳しい条件の回路を見つけ出すことも可能です。

また、以下の取り扱いも可能です:

  • \(L\)と\(C\)の組合せを含む回路
  • 非線形特性の電源を含む回路
  • 複数の電源を含む回路
  • ケーブルの取り扱い

isparkによる評価のご依頼

ご依頼の際には、評価対象の回路、評価条件については、ご依頼者にて設定して頂くこととなります。弊社ではそれらの条件における結果を報告書によりお届けいたします(電子ファイル)。

ご依頼の流れ

  1. 「ispark試験仕様書」をご送付頂く(ispark試験仕様入力フォームからご入力頂いても結構です)
    技術的なご相談を含めることも可能です。
  2. お見積り
  3. ご発注
  4. 評価実施
  5. 結果報告書納品

「ispark試験仕様書」の内容

  • isparkマニュアルをご参照の上、isparkに入力する値を教えてください。
  • 安全率(1.0、または、1.5)はisparkが別途自動的に考慮しますので、安全率の含まれていない数値を教えてください。
  • isparkマニュアル(ispark manual 62_05_bs.doc)(英語)は、downloads (ispark-software.com)からダウンロードできます。
  • 「ispark試験仕様書」に含めていただく情報としては以下のものが挙げられます。試験仕様書の形式は自由です。
  1. isparkのversion(6.2 又は7.1)
  2. 試験対象の等価回路図
  3. 保護レベル:(ia, ib, ic)
  4. ガスグループ(IIA, IIB, IIC)
  5. 電源の構成:(単独、複数)
  6. 電源の出力特性
    • [a] 抵抗制限出力特性: Linear (\(U_o [V], I_o [mA]\))
    • [b] 矩形出力特性: rectangular
    • [c] 台形出力特性: trapezoidal
    • [d] Angular(one angle)
    • [e] 複数:multiple source
  7. その他:isparkマニュアルをご参照下さい。

【電源に関する数値について】

火花点火試験装置を使用して火花点火試験を行う場合には、安全率を考慮した電流や電圧を印加しますが、isparkによる評価では、isparkが自動的に安全率を考慮し、与えられた電源に許容されるLo, Coを計算します。

従って、ispark評価のご依頼の際に教えていただく電流や電圧は、安全率を含めた(電流、電圧)ではなく、製品として本安回路に接続する電源の情報[安全率が含まれていない(電流、電圧)の値]を入力します。

【実施の際には以下の詳細情報のご提示をお願いすることになります】

  • それぞれの電源の場合に、isparkマニュアル(ispark manual 62_05_bs.doc)のsection 6.3等に記載されている内容が必要です。
  • その他:isparkマニュアルをご参照下さい。

isparkが取り扱えるパラメーターの範囲

パラメーターの範囲は以下となっています。

パラメーター 範囲 備考
電源電圧 1~50V
短絡電流 1~5,000mA ※この範囲外での使用については、開発者Martinさんに相談可。拡張使用法があるとのこと。
R \(0.1~10^5\) Ω
\(L_o\) 0.001mH ~100mH
\(C_o\) 0.001μF~ 1,000μF

Demoバージョン

isparkのdemoバージョンが、downloads (ispark-software.com)からダウンロードでき、これは無料で使用できます。

demoバージョンではisparkがどのようなことができるのかのイメージを得ることができますので、「ispark試験仕様書」を作成する際にお役に立てていただけると思います。

ispark 購入代行サービス

「isparkの購入どうすればいいの…?」

ソフトウェア「ispark」の購入は、英語でのやり取りや手続きが必要で、少しハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

NCSは、isparkの販売代理店ではありませんが、これまでお客様のispark購入をサポートしてきた実績があります。

お客様のご要望に応じて、購入手続きの完全代行、または、購入に必要なドイツの販売元とのコミュニケーション(英語)の代行を、有償にて承ります。

NCSのサポートで、ispark購入がスムーズに!

▼ ご利用の流れ ▼

NCSのサポートをご利用いただく場合、ispark購入までの流れは以下のようになります。

※ NCSの作業開始前に、お客様からNCSへの正式なご発注が必要です

1
お客様/NCS → ドイツ 見積依頼
  • お客様からNCSへ、isparkの見積もりをご依頼いただきます。
  • NCSがお客様から必要な情報をヒアリングし、英語でドイツの販売元へ見積もりを依頼します。
2
ドイツ → お客様/NCS ライセンスフォーム受取
  • ドイツの販売元から、ispark softwareのライセンスフォームが送られてきます。(お客様、またはNCSが受け取ります)
3
お客様/NCS → ドイツ ライセンスフォーム返送
  • お客様がライセンスフォームに必要事項を記入します。
  • NCSがお客様に代わって、またはお客様ご自身で、記入済みのフォームをドイツの販売元へ返送します。
4
ドイツ → お客様/NCS 見積書受取
  • ドイツの販売元から、isparkの見積書が送られてきます。(お客様、またはNCSが受け取ります)
5
お客様/NCS → ドイツ 発注
  • お客様がNCSへ発注書を送付、または、NCSからドイツの販売元へ発注書(Purchase Order)を送付します。
  • (どちらの場合も、NCSがお客様をサポートいたします。)
6
お客様/NCS → ドイツ 送金
  • お客様が直接、またはNCSが代行して、ドイツの販売元へライセンス料金を送金します。
7
ドイツ → お客様 ソフトウェアキー受取
  • ドイツの販売元で入金が確認され次第、ispark software key(USBメモリー)がお客様宛に郵送されます。

まずはお気軽にご相談ください!

isparkの購入に関するご相談、お問い合わせは、NCSウェブサイトの「相談・問い合わせ」フォームよりお気軽にご連絡ください。

ご不明な点について

評価対象の回路、評価条件の設定等において、本質安全防爆の規格に関する解釈等のサポートが必要な場合は、事前にスポット講習等をご依頼ください。

NCSウェブサイトの「相談・問い合わせ」ページをご覧ください。

【履歴】

  • 2025.04.26 ページデザイン変更
  • 2025.03.03 文章整理
  • 2023.08.23 文章整理
  • 2023.04.14 ispark購入の流れ追記
  • 2022.08.29 目次追加
  • 2022.07.24
  • 2022.07.23
  • 2022.06.25