防爆検定制度の基本ガイド|エヌ・シー・エス株式会社
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初めての防爆検定の方へ

防爆申請への入門知識


エヌ・シー・エス株式会社
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本資料の目的

防爆機器の開発・輸入を検討されている方へ。
お打ち合わせや申請の前に、必ず知っておいていただきたいことを整理した資料です。

  1. 防爆の基礎
    日本の制度の前提と、海外認証との違い
  2. 制度の構造
    第一者による適合確認と、第三者認証の関係
  3. 申請者の立場ごとの論点
    製造者・輸入者で異なる準備ポイント
  4. 申請前に整理すべきこと
    ご相談前に確認いただきたい基本事項
  5. NCSがご案内できること / できないこと
    第三者認証機関としての役割と限界
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最初にお伝えしたいこと

初めて取り組まれる場合でも、必要な前提を順に整理すれば進めることは可能です
大事なのは「分からないまま進める」ことではなく、制度の構造と自社の責任範囲を早い段階で見定めることです。NCSは第三者認証機関として、制度の説明と一般的な論点整理をご案内します。
防爆は「あとで認証を取ればよい」分野ではありません
防爆対応は、製品の設計・使用条件・製造体制・顧客への説明まで関わります。
基礎理解がないまま「とりあえず問い合わせながら進める」と、申請以前に大きな認識齟齬や手戻りが生じやすくなります。
問い合わせは有効ですが、基礎理解の代替にはなりません
まずは制度の構造と責任範囲をご理解いただいたうえで、申請準備を進めていただくことが重要です。
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第1章:防爆検定の基本ルール

~安全を守るための基礎知識~

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1. そもそも「防爆」とは?

爆発性雰囲気の中で、電気機器を 安全に使用する技術 です。

危険な場所の例
  • ガソリンスタンド
  • 化学工場
  • 水素ステーション
  • 塗装工場 等
なぜ防爆が必要?

通常の電気機器は、スイッチ開閉時などに火花(点火源)を出すことがあります。

点火源 + 爆発性ガス = 大きな事故のリスク

このリスクを抑えるために、防爆構造や制度が必要になります。

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2. 日本の防爆検定制度

労働者の安全を守るため、労働安全衛生法 で定められています。

日本国内のルール
  • 危険場所で使用する電気機器は、登録型式検定機関(NCSなど)による 型式検定 に合格しなければなりません。
  • 合格した製品には 型式検定合格標章 を表示する義務があります。
ご注意:コンポーネントについての考え方
日本国内では、IECEx等のような Component Certificate(部品単体の認証)のみで運用することはできません。
センサーやスイッチ等の部品単体であっても、最終的に設置される筐体等を含めた「電気機器」として検定を取得する必要があります。
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3. よくある誤解(重要)

Q. 海外認証(IECExやATEX)があれば、日本ですぐに使えますか? A. いいえ、そのままでは使えません。
  • 海外の認証を持っていても、日本国内で使用するには、改めて日本の法律に基づく 型式検定合格証の取得 が必要です。
  • ただし:国際認証等での試験データ(ExTRなど)は、日本の検定申請において、後述する「メーカーによる自己確認の証拠」として活用可能です。
  • これにより、試験の重複を避け、効率的に申請できる場合があります。
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第2章:2つの「試験」の違い

~第一者適合と第三者認証~

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4. 検定制度の構造(重要)

日本の検定は、「メーカーが適合確認したもの(第一者)」「検定機関が認証する(第三者)」 という二段構えの構造です。

STEP 1:自己適合確認
(第一者:製造者の責任)

「自社製品は規格に適合しています」と説明するための根拠を整えること。
法令で定める「あらかじめ行った試験の結果を記載した書面」が必要です。
👉 ここが「自社試験・自社確認」です
STEP 2:型式検定
(第三者:検定機関の役割)

第三者として認証すること
提出された書類・試験データの書面審査とともに、必要な実機試験により適合性を検証します。
👉 これが「検定試験」です
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5. つまり、どういうこと?

例えるなら…「建築確認申請」に近い関係です
  • 設計・適合確認する(製造者):設計者が自ら構造計算・法令適合を確認し、「基準を満たしている」ことを示す図面・書類を整える
  • 審査する(検定機関):提出された図面・計算書をもとに、独立した立場で適合性を確認・判定する
※「計算書なしに持ち込んで、審査しながら設計してほしい」とは依頼できません。防爆検定も同じ構造です。
「書類なしの確認申請」は成立しません
「まだ何も試験していないけど、とりあえず見て合否を判定してほしい」という依頼は、構造上成立しません。
検定機関は、製造者が整えた自己確認結果をもとに、独立した立場で審査を行います。
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6. NCSがご案内できること / できないこと

NCSは第三者認証機関です
制度の説明、申請要件、規格解釈上の一般的な論点整理はご案内できます。
一方で、特定製品の成立方針を作り込む設計指導や、合格を前提とした開発支援は、第三者認証機関としての立場上、実施できません。
NCSがご案内できること
  • 防爆検定制度の基本説明
  • 申請者に求められる要件の説明
  • 規格の考え方・一般的な論点整理
  • 申請手続き、必要資料、進め方の案内
NCSが実施できないこと
  • 製品設計そのものの指導
  • 成立する防爆構造の具体的な作り込み
  • 合格を前提とした開発代行
  • 白紙状態からの申請用データ作成
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設計指導が必要な場合
NCSでは、制度の説明や申請前に整理すべき一般的な論点をご案内し、次に何を準備すべきかを明確にするお手伝いができます。
一方で、具体的な設計検討や開発支援が必要な場合は、外部のコンサルタントをご紹介することができますので、ご検討ください。
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第3章:申請者の立場によって

準備すべきことが異なります

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7. 申請者になれるのは?

通常の型式検定(新規検定)において、申請者になれるのは原則として 製造者(外国製造者を含む)または 輸入者 に限られます。

重要
ただし、製造者と輸入者では、申請前に確認すべき重点が異なります。
「誰が技術資料を持っているか」「誰が適合性を説明できるか」が実務上の大きな分かれ目になります。
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8. 製造者の方:まず確認したいこと

製造者の方

防爆機器の申請では、自社で製品仕様を定義し、適合性を確認する責任があります。

  • 防爆構造、対象ガス、温度等級などの仕様を説明できますか?
  • 図面、仕様書、部品情報、試験結果を整理できていますか?
  • 自己適合確認の考え方を理解していますか?
  • 申請者に必要な体制整備を進められますか?
注意

「まだ何も決まっていないので、まず見てほしい」という段階では、申請以前の状態である可能性があります。

問い合わせの前に、仕様の骨格・試験の考え方・責任範囲を最低限整理しておくことが重要です。
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9. 輸入者の方:まず確認したいこと

輸入者の方

海外認証があることと、日本の制度にそのまま適合することは別問題です。

  • 海外メーカーから図面・仕様書・試験データを入手できますか?
  • 日本向け申請に必要な説明や追加対応について、メーカーの協力が得られますか?
  • IECExやATEXの資料を、日本の申請でどう活用できるか理解していますか?
  • 輸入者として担う役割と、製造者側の責任範囲を整理できていますか?
注意

製品を輸入したいだけでは進まず、海外メーカーの継続的な協力体制が重要になります。

メーカーの協力が不十分な場合、制度理解があっても実務が前に進まないことがあります。
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10. 製造者として申請する場合の資格要件

製造者として申請を行うには、法律で定める以下の4つの要件を満たす必要があります。

1. 設備
製品の製造に必要な製造設備および検査設備を有すること
2. 人員
一定の経験年数を持つ工作責任者を有すること
3. 組織
製品が規格を具備しているか確認できる検査組織を有すること
4. 規程
検査の基準や方法を定めた検査規程を有すること
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第4章:仕様チェックリスト

~ご相談前に整理いただきたいこと~

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11. 基本仕様の定義(相談への第一歩)

検定を受けるには、製品の「防爆仕様」が決まっている必要があります。
ご相談の前に、以下の項目について想定仕様を整理してください。

防爆機器の検定取得の経験の有無:初めて / 経験あり
→ 初めての場合、制度理解の段階から整理が必要になります。
機器の種類:ポンプ、モーター、センサー、制御盤など
→ 機器の種類によって適用規格・構造要件が異なります。
使用を想定する危険場所:Zone 0 / Zone 1 / Zone 2
→ ゾーン区分が、必要な防爆構造の種類と等級を決定します。
防爆構造の種類:耐圧防爆 (Ex d)、本質安全防爆 (Ex i) など
→ 構造の選択によって、試験項目・図面要件・コストが大きく変わります。
適用する規格:現時点で有効な検定基準として指定された規格か
→ 失効・改定された規格では受検できません。事前確認が必要です。
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12. (続き)基本仕様の定義

対象ガスグループ:IIA(プロパン等) / IIB(エチレン等) / IIC(水素等)
→ 対象ガスによって要求される防爆性能の厳しさが段階的に異なります。
周囲温度 (Ta):例 -20℃ ~ +40℃
→ 使用環境温度の範囲が、規格適合の判定条件に直接影響します。
機器の温度等級:T1 ~ T6
→ 機器の最高表面温度が対象ガスの発火温度を下回る等級を選定します。選定誤りは不合格の主因の一つです。
電源仕様:電圧・電流・周波数・単相/三相
→ 本質安全防爆など、電気的パラメータが直接安全性評価に関わる構造では特に重要です。
ご相談前の考え方
これらが曖昧な段階では、申請を急ぐよりも、まず基礎理解と仕様整理を進める方が結果的に近道になることがあります。
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13. ご相談前に、特に確認いただきたいこと

共通
  • 製品の用途と使用環境を説明できるか
  • 想定市場(日本 / 海外)が定まっているか
  • 危険場所・ガス区分・温度条件を想定できているか
製造者 / 輸入者で異なる点
  • 製造者:自社で仕様・試験・体制を説明できるか
  • 輸入者:海外メーカーの資料・協力を確保できるか
  • どちらも:責任範囲の整理ができているか
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第5章:検定のプロセスとQ&A

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14. 全体のプロセスフロー

  1. 仕様決定・事前準備
    • 前述のチェックリスト項目の確定
    • 自己適合確認(あらかじめ行った試験の結果を記載した書面の作成)
    • 必要な体制整備
  2. 申請
    • NCSへ申請書と資料一式を提出
  3. 審査
    • 書面審査および検定試験(構造検査・規格試験)
  4. 合格・交付
    • 型式検定合格証の発行(有効期間3年 / 以降、更新が必要)
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15. 検定の審査内容

検定では、主に以下の内容が審査されます。

  1. 申請者・製造者の要件確認
    設備や能力の有無
  2. 書面審査
    図面、および「あらかじめ行った試験の結果を記載した書面(ExTR等)」の適合性確認
  3. 構造検査(現品審査)
    実機サンプルと図面の整合性、構造要件の確認
  4. 検定試験
    必要に応じて実施する確認試験
  5. 総合判定
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16. Q&A:試験データの準備について

Q. 新規開発品です。自社で試験ができません。サンプルを送るので、NCSでイチから試験をして、申請用データを作ってもらえますか?
A. 試験データは、申請者側でご準備いただくものです。

試験条件の決定と実施(自己適合確認)は製造者の責任範囲です。自社試験設備または外部試験所をご利用ください。

ご不明な点についてNCSの技術相談で整理のお手伝いをすることができます。
具体的な試験条件の設定や、設計検討が必要な場合は、外部コンサルタントをご紹介できます。
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17. 今後の進め方

まずは基礎を確認したい方

防爆の基礎情報は、ウェブサイトにて公開しています

基本的な内容を身に着けるのに最適な

手続きの確認をしたい方

申請書類の入手先、提出方法など事務的なご質問

まずはウェブで確認ください。ご不明な点がありましたらご連絡ください。

論点整理が必要な方

規格解釈、仕様の考え方、申請前に整理すべき一般的な論点など

ウェブ会議、お電話、ご来社等での技術相談を承ります。

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